SSブログ

H25年度 春季研修会 参加者の声(その5) [H25 春季研修会報告]

参加者の皆様。

今回、前回と私の提案した事例を検討してくださってありがとうございました。

最初に事例準備を行ったのは新年度開始前でした。そこから一ヶ月が経ち、思っていたよりも事態が難しい方向へ動いてしまい、半分は架空事例として扱わざるを得なくなってしまったことは申し訳なかったです。

自分が通級担任として、在籍担任の先生のフォローに何ができるか、一人で悶々と考えこんでいるより遥かにたくさんのアイデアを、具体的に実践できる内容に絞って提案していただいた事柄を、今後の指導に役立てて行こうと思います。

今回、一つ考えさせられたことは、ソーシャルワーカーの方々と教員の立場から考えたこととでは、問題解決のアプローチに対する考え方が真逆になる部分があるんだなあと思わされる発言があったことでした。

「この子の学校の居場所がないんじゃないか」

という言葉です。

自分自身、かつて児童養護施設に児童指導員として勤務していた時、そんな疑問を感じ、学校の先生はどうして子供の声に耳を傾けようとしないのか。と考えたことがありました。

今、自分が教員の立場からこの事例で取り上げた児童のことを考えると、

「居場所を自ら放棄したのはこの児童自身。もしどうしても学校に居場所を見つけられないというのなら、不登校を選択して、自分の辛い気持ちを行動で保護者に表現すること認めてあげてもいいんじゃないか?今の時点で無理やり学校に登校させることが、そのために本来認められないような甘えや責任放棄を認めてまで居場所を作ることが、長い人生を考えた上で、本当にこの子の役に立つことなのか?」

と考えてしまいました。

かつて施設児童に対し、居場所作りを進めようとして、間違えた支援を行った結果、児童自立支援施設への措置変更へ追い込まざるを得なくなった事例も思い出しました。

思い出しただけで、一体何がこの言葉に引っかかっているのか。教員とSSWのそれぞれの立場から、どんな役割を自分が果たすべきと考えているのか、今回の会議中にまとめられなかったので発言できませんでした。今でも、立場の違いからくる考えの違いをどうまとめ、折り合いをつけようか考えている最中です。

こういうことに思いを巡らせることは、今後の支援に無駄にならないと思って参加させていただいております。今回も、示唆に富んだケース会議をありがとうございました。また考えがまとまったら、今度は自分のブログにでも報告します。

(第一・二回事例提供者 通級担任・自称隊長)

nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

nice! 2

コメント 2

ばんば

自称隊長さん、ありがとうございます。 たまには、コメント機能も使ってみようと、こちらでの投稿です。
ケース会議は、会議の準備から実施まで間がないと、出席者の日程調整が難しいですし、長すぎると、日々刻々と変わる状況への対応が難しくなってしまいますから、ケース会議をしよう、と決めたら1-2週間内で実施するのが通常ですね。
今回は、「問題解決型ケース会議」のモデルを勉強する材料としての事例提供をいただき、2回にわたる研修で本来1時間程度で行う会議のプロセスを勉強しました。そのため、実際に今目の前にいる子どもの状況と、話し合った内容がかみ合わないという事態が生じてしまいました。実際のケース会議ではなく、研修であることの限界ですね。ごめんなさい。
第3、第4回は、それぞれ1回で1つの事例を完結させるので、この問題は軽減されると思います。

ところで、考え方の違いのことについて。
さまざまな立場の人が会議に参加すると、意見の相違も当然出てきます。自称隊長さんがおっしゃるように、一見真逆のように感じられる意見もあり、下手をすると、対立が生じたり、相手の話を聞かなかったり、自分が意見を述べるのをやめてしまったり、ということが生じかねません。それが、現場で時々見られる「残念な会議」です。

真逆のように感じられる意見も、実は、たがいに言葉足らずで十分に意図している内容が相手に伝わっていないということもあり、実はそんなにかけ離れたことを言っていない場合もあるかもしれません。また、立場が違えば、考えること、焦点の当て方が違うのは当然。相手が自分と同じように考えなくても、理解・尊重し、「自分は、こう思う」、ということも、相手を非難しない形でしっかり伝える、それがケース会議では大切で、だけど、簡単ではないことなのかもしれませんね。

そう考えると、この研修は、とてもいいものだな、と改めて思います。
ケース会議の進め方(モデル)を学ぶだけでなく、実際の会議場面よりもさらにいろいろな立場の人が集まった中で、どう意義のある議論を交わし、一番の目的である、こども(とその家族)の支援へと結び付けていくのかを学ぶことができます。

皆さん、今後ともよろしくお願いいたします。
コメント欄に書くには、長すぎましたね。すみません。

by ばんば (2013-05-11 09:34) 

自称隊長

ばんば先生

コメントありがとうございました。あの短い時間にいろいろ考えさせられる刺激をいただけることに感謝しています。それも、私の自治体には実質配置されていないSSWの方々や、同じ教員でも関わりの殆どない特別支援学校の先生方など、立場の異なる方からご意見をいただけることなど、仕事をこなしているだけの毎日では得られないものです。参加しないともったいないなぁと思う一方で、教員の参加者がなかなか増えないのは、SSWの方々のご意見に対して現場のことを知らないで気楽なことを言うな、と思ってしまう傾向が強いからではないかと思いました。それこそ、余計なプライドを捨てて、仕事のスキルを上げるため、クラスの子どもたちのため、それが最終的には自分自身のためになると考えてもらえる教員の方が増えるといいなぁと感じています。結構声をかけても、教員って腰重いですね。自分の周りだけなのだろうか?
by 自称隊長 (2013-05-11 18:01) 

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。